血栓（けっせん）について

血管の中で血液が固まって塊になった状態を血栓といいます。血管が傷ついたときに損傷した部分を修復する過程で血栓は起こるので、私たちにとって自然な生体反応のひとつです。しかしながら、近年の偏った（欧米型の）食生活や生活習慣の影響により、私たちの血液は粘度が高くなりがちで、余分な血栓ができやすくなってきています。その結果、血栓は血液の循環を妨げ、様々な臓器に悪影響をおよぼします。

エコノミークラス症候群（肺塞栓症）

同じ姿勢を長時間続けることにより引き起こされます
車の長距離運転、長時間のオフィスワークも要注意

エコノミークラス症候群とは、長時間同じ姿勢で座ったままの状態になっていることで足の血液の流れが悪くなり、足の静脈に血栓（けっせん）ができてしまうことが原因で起こります。この血栓ができた状態で再び歩き出すと、それをきっかけに血栓が血液の流れに乗って肺の静脈に達して血管をふさいでしまう事があります。その結果、呼吸困難、窒息状態に陥り、状態が悪ければ突然死に繋がる可能性もあります。

脳梗塞・心筋梗塞

血栓が脳の血管を詰まらせる脳梗塞、心臓の血管を詰まらせると心筋梗塞になります。糖尿病、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病による動脈硬化が血管に影響を与え、血栓が血管を詰まらせるリスクを高くすることがわかっています。